鳥来へ会社のひとたちと一緒にいったという夫が「うっとり」というので、一緒にいってみることになった。
と、同時にカレーが食べたくなったので、カレー→足つぼという速やかなる動線を描く街が何処かを検討する。
すると素朴なページを発見。
ガネーシャというお店が吉祥寺のハモニカ横丁にあるらしい。
ハモニカ横丁は切ない思い出の場所でもある。
いま美舟のかいわれ巻をもし食べたら、きっと泣いてしまう。
しかしひとは様々な思いを抱えながらもカレーを食すのだ。
カレーは切なさをいっぱいに含んでもなお、カレーだと思う。
インド的な内装で、ビニールの暖簾がかかった5人でいっぱいのカウンターのお店だった。コア系のレーベルを経営しているらしきマスターが「どこどこのベーアンが新しくなったんだよ。でも音はぜんぜんダメだね」とか、バンドをやっているらしい若者と話している。冷蔵庫の中からでてきたタッパーのカレーを鍋に移し、一口コンロで温めていく。狭くてきれいではないスペースにクミンとコリアンダーの香りが充満していく。
出てきたきのこカレーとチキンカレーは寒い店内で最高においしかった。この店のこの雰囲気だからおいしいという種類のものだとは思う。我々はハモニカ横丁の狭い路地のなかで、まさに中央線的なカレーを食べて、中市民的足つぼマッサージに向った。